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鋼管+凍結工法
鋼管を含んだ凍土の構造解析
凍土による止水効果の実証実験
鋼管補強による造成凍土量の削減
接続防護凍結工での試算例
止水凍土の現場規模
  シミュレーション
鋼管による凍土増強効果
パイプルーフ工法における止水凍結
 「鋼管+凍結」工法は、地盤凍結工法とパイプルーフ工法を組み合わせた工法です。これまで、地盤凍結工法では凍上・沈下や凍結土圧、パイプルーフ工法では止水方法などが問題点としてあげられてきましたが、これらの問題点は、この「鋼管+凍結」工法の実現で、一挙に解決できます。つまり、「鋼管+凍結」工法によってより完璧な地盤改良が可能となります。
 地盤凍結工法では、特に、粘性土地盤では、凍結膨張や解凍収縮によって、地表面での凍上・沈下、地中の既設構造物への土圧増加などが懸念されます。
 しかし、パイプルーフ工法を地盤凍結工法に併用することによって、凍土壁の強度が増加して、必要凍土厚を削減させ、凍結膨張による影響を最小限に押さえることができます。
  図-1 鋼管包含凍土の曲げ実験模写図   図-2 荷重〜たわみ曲線の例(砂凍土+鋼管)  
  図-3 梁高さと破壊荷重の関係   図-4 梁高さと破壊荷重比の関係  
 凍土の中に鋼管が入ったときの凍土の強度増加効果を確認するために、図-1のような模型試験を行いました。  試験結果の一例として、梁高さ(=凍土厚)8㎝の凍土単体、凍土+鋼管、鋼管単体の場合の荷重〜たわみ曲線を図-2に示します。凍土+鋼管の荷重は、凍土単体、鋼管単体の場合よりも大きなピーク荷重が現れます。図-3からわかるように、どの凍土厚でも、凍土単体の場合よりも凍土+鋼管の方が強度は大きく、鋼管が入ることで凍土を補強できることが確認できます。図-4から、鋼管による補強効果は、砂よりも粘土の場合がより効果的であり、凍土厚が薄い方が効果が大きいことがわかります。
 
  図-1 RCと鋼管包含凍土の応力分布模写図      
  図-2 たわみと荷重、凍着応力の関係(砂凍土+鋼管)   図-3 破壊荷重解析値と実験値との比較(砂凍土+鋼管)  
 鋼管による凍土壁の補強を現場で実現するためには、鋼管を含んだ凍土の破壊に至るまでの力学的挙動を把握でき、降伏・破壊に対する危険部位を特定できる解析手法が必要です。これに類する解析手法としては、RC構造物に関する周知の手法がありますが、RC構造物と鋼管を含んだ凍土とは、以下の点で異なり、そのまま、転用できません。

 RCの解析ではコンクリートの引張強度が圧縮強度よりも極めて小さいので、
  引張側のコンクリートの強度は無視されますが、凍土の場合は、曲げ・引張強度は圧縮強度に対して
  無視できないほど大きいので、引張側の凍土も考慮する必要があります。

 RCの解析では、鉄筋断面内での応力分布は一様とされますが鋼管を含んだ凍土では
  薄い凍土厚での使用が目的であり、梁断面に占める鋼管断面積の割合も大きくなるので、
  鋼管断面内の応力分布も無視することができません。

  図-1に、RC構造物と鋼管を含んだ凍土の応力分布の模式図を示します。
 そこで、鋼管と凍土が一体となって機能する完全合成体としての解析方法を開発しました。図-2および図-3に示す実験値との比較から、鋼管包含凍土は完全合成体として機能することが確認できます。
 また、この構造解析法を用いれば、現場規模の複合効果の試算も可能です。
 下図のようなトンネルと立坑との接続防護凍結工の現場モデルで、地盤凍結工法とパイプルーフ工法とを組み合わせた効果を、確認します。
 ここで、t:必要凍土厚、r:掘削径(10m)、l:凍土軸長(5m)、P:凍土にかかる荷重
とします。また、鋼管の埋設ピッチは、凍結管を内挿するので、0.8mピッチとしました。
1.凍土のみの場合
  凍土内の平均温度を−10℃として、必要凍土厚を計算します。

    凍土の設計強度(温度−10℃)
      圧縮強度σc :3.0 MN/m 2 
      引張強度σb :1.8 MN/m 2 
      剪断強度στ:1.5 MN/m 2

  これらから、左図のように
必要凍土厚tは4.11mとなり、
施工誤差を考慮して必要凍土厚tは、4.2m
となります。
2.凍土中に鋼管を入れた場合
 凍土温度θ=-10℃で、鋼管径が 609.6㎜とした時、凍土と鋼管が完全合成梁であると考えて計算すると、左図のように、必要凍土厚t は、1.7m となります。

 上記の結果から分かるように、凍土の中に鋼管を含むことによって、凍土厚を 60% 削減できることがわかります。

 また、鋼管内に凍結管を入れることになりますので、凍結管埋設の費用は別途発生しません。
・止水効果が充分でない。
・地下水位下では、施工できない。
・止水効果は完璧である。
・地下水位下でも、施工可能である。
 地下水位よりも深い深度では、鋼管間の止水を十分に行えないため、これまで、パイプルーフ工法の施工実績はそれほど多くありません。
 しかし、鋼管間の止水を凍土で行えば、地下水位以深でも十分な止水効果が得られます。止水目的の凍土であれば、凍土造成期間は短期間で済むので、工期を大幅に遅らせることはありません。
図-1 鋼管間止水凍土梁の曲げ実験模写図
      図-2 温度と破壊荷重の関係  
  図-3 歪速度と破壊荷重との関係   図-4 土の種類と破壊荷重との関係  

 パイプルーフ工法において、鋼管間の止水を凍土で行うときの止水効果を確認するため、図-1に示す鋼管間止水凍土梁の曲げ実験を行いました。

 図-2〜4から、鋼管と凍土との凍着切れ、または凍土の破壊が生じるときの破壊荷重は、凍土温度・歪速度・土の種類の影響をあまり受けないことがわかります。
 また、 破壊荷重は、図-2〜4における全ての条件において、パイプルーフ工法における鋼管の許容荷重(各図中の破線)を上回っています。
 したがって、パイプルーフ工法の設計範囲内では、凍土による止水は維持されることになり、凍土の破壊や凍着切れの懸念はないことがわかります。

 パイプルーフ工法における止水を凍土で行う場合を想定して、凍土および鋼管に生じる応力と、凍着面に生じる応力とを解析しました。設計施工に係わる幾つかの因子について影響解析を行い、凍土および鋼管の設計強度を応力解析値で割った安全率で、解析結果を整理しました。
 なお、これらの解析では、別のページで説明しております、鋼管を含んだ凍土の構造解析法を用いました。

図-1 現場規模構造解析の概要
  図-2 鋼管露出厚と安全率との関係   図-3 凍土温度と安全率との関係  

 図-2に示しますように、鋼管露出厚が増加するほど凍着部の安全率が低下します。パイプルーフ工法では、支保工を設置するために、掘削時にある程度鋼管を露出させますが、図-2の結果から、過度の鋼管露出は凍着切れの危険を増大させるので、禁物であることがわかります。
 図-3の結果から、凍土温度が各部位の安全率に及ぼす影響は小さいのですが、凍土温度が高いと掘削時に凍土が自然解凍して鋼管露出厚が増加することも考えられるため、実施工では凍土温度をなるべく低くするとともに、掘削面に適切な断熱を施して、熱侵入による凍土の自然解凍を防ぐ必要があります。

  図-4 鋼管埋設間隔と安全率との関係   図-5 支持スパンと安全率との関係  

 図-4に鋼管埋設間隔と安全率との関係を示します。鋼管の埋設間隔が広がると凍着部の安全率が低下しますので、適切な安全率を確保するためには、鋼管の埋設間隔および埋設精度の管理が重要であることがわかります。
 図-5に掘削時の支持スパンと安全率との関係を示します。支持スパンが広がると、幾つかの部位の安全率が低下することがわかります。支持スパンは支保の設置間隔によって定まりますので、止水凍土の安全性を高めるには、支保の設置間隔をなるべく狭くするべきことが確認できます。

 以上の解析はほんの一例に過ぎませんが、現場の規模や条件に応じた検討ができますので、精度の高い止水凍土の設計・現場管理を行うことが可能です。

   
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